測定は、マグナム望遠鏡で使用する15色カメラのオートガイダー用CCDカメラを使い、 センサーとCCDの相対位置を一定として行なった。 赤外センサーをそのままおいたものと近接センサーの表示灯部を2mmの黒色RTVゴム (コニシ社製バス・タイル水洩れ防止用バスボンド)で覆ったものを比較した。 なお、赤外センサーのダイオードが発する光は波長950nmを中心とする 半値全幅〜40nmのGaussian型のスペクトルをしている(SHARP社の資料参照)。 一方、近接センサーの表示灯の光は、詳細は不明だが目で見て赤い色をしているため、 波長600nmあたりを中心とする光だと思われる。 またCCDの感度も今回使用したもの、モザイク二号機のものは同じだと仮定する。 実際の感度曲線は二つのCCDでそれほど違いはない。 (Suprime-Camでもそれほどの違いはないと期待している)
この結果、迷光の量は、
I(old sensor) = 48.64 t - 4.72 (ADU) I(new sensor) = 0.072 t + 0.431 (ADU)となり、新しい近接センサーでは赤外センサーに比べて迷光量は 0.15 パーセントになると期待される。ただしCCDの感度は同じとする。
迷光の量がSKYに対してどれ位の大きさになるかを見ると、
WHTのBバンドのデータでは、例えば SKY〜1000 にたいして
迷光〜120 で、迷光は SKY の 12 パーセントあることになる。
これが、表示灯を黒に塗りつぶした近接センサーでは
迷光〜0.18 になると期待される。
残念ながら赤外センサーの放射する光の中心波長のあるZバンドの
データが手元になかったのでそちらは良く分からないが、
Zバンドが SKY が明るいため、さらに問題ないと考えられる。
一方 SKY の小さい狭帯域撮像の時には迷光の問題が深刻になってくると考えられる。