Y方向に水平に位置をずらしたときの動作
フィルター交換機構上下移動機構はボールねじとスライドシャフトで位置の精度を出そうと
しているが、カメラサポートの問題からスライドシャフトの本数はなるべく少なくなる
ことが望まれている。したがって
Y方向に水平に位置をずらしたときにどの程度までの位置のずれが許容されるかを決定することは
フィルター交換機構上下移動機構を設計する上で重要である。
ここでは、フィルターの大きさと移動箱側、カメラ側のユニットの隙間の大きさから物理的に決まる
リミットまである間隔で移動箱を水平にY軸方向にずらして固定し、テストを行った。
ずれの測定はノギスを用いて行った。
なお物理的リミットは不明。というのはこちらの方向はアクチュエーターを押すばねがあるために
ばねがどれだけ強いかに依存する。
移動側ユニットをアクチュエータ側に500μずらしたとき
1.水平時の動作
(配置図)
なんと最初の一回は左から右行きがクリアできなかった。
| 右から左 | 左から右 |
1回目 | 5.58±0.15 | 6.89±0.33 |
以上の測定値から以下のことが分かる。
- 標準状態に比べずいぶんと遅くなった。やはりアクチュエーターDに入るところ、
Cを出るところなどで引っ掛かりがあるようだ。
しかしこの移動時間は押しばねの強さに依存すると思われる。
(使うばねによっては500μをクリアできないことも考えられる)
2.右側を40゜あげた時の動作
(配置図)
動かず。
(data)
以上の測定値から以下のことが分かる。
- 500μずらしたときにはもはや安定な動作は望めない。
移動側ユニットをアクチュエータ側と逆側に500μずらしたとき
1.水平時の動作
(配置図)
今回は問題なく動いた。
| 右から左 | 左から右 |
1回目 | 4.88±0.07 | 4.80±0.11 |
以上の測定値から以下のことが分かる。
- こちら側にずらしたときは前節に比べ安定でしかも速い。
また右行き左行きの時間の差もあまりないことから
アクチュエーターの取り付け角度が左行きに好影響を与えていると考えられる。
(アクチュエーターCとの接触が密なために入っていきやすい)
2.左側を40゜あげた時の動作
(配置図)
予想通りこちらは何度か動いた。
しかし一度とまった。下り(重力方向へ)の移動は問題なし。
| 右から左 | 左から右 |
1回目 | 9.27±0.16 | 3.37±0.09 |
以上の測定値から以下のことが分かる。
- なにもないときに比べて上りは影響を受ける。しかし下りはほとんど変わらず。
移動側ユニットをアクチュエータ側と逆側に1mmずらしたとき
1.水平時の動作
(配置図)
2回動いたが後はだめ。動いたといっても10秒以上かかっており非常に心もとなさを感じさせる。
(data)
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