Suprime-Cam Filters
Revision history:
2004/02/25 revised (latest response data for narrow-band filters)
2002/01/31 revised (latest response data for broad-band filters)
2000/02/21 revised
1999/10/18 revised
1999/04/21 revised
1998/08/10 revised
1998/08/03 revised
1998/07/28 revised
1998/07/17 revised
1997/10/24 revised
1997/04/19 revised
1997/04/18 created
■2004/02/25
新しい MIT CCD と組み合わせたときの狭帯域フィルターのレスポンス (0 度C, F/1.86)
Responses of narrow-band filters (F/1.86)
Notes:
* [filter] = filter transmission for F/1.86
* [CCD] = CCD QE (MIT CCD)
* [mirror] = reflectivity of Subaru Primary Mirror
* [PFC] = transmission of Prime Focus Corrector
* [airmass] = air transmission at sec(z)=1.2
Filter names written on FITS headers
NB711 N-B-L711
NB816 N-B-L816
(1) フィルター
Response = [filter]
NB711
NB816
(2) フィルター + CCD
Response = [filter] + [CCD]
NB711
NB816
(3) フィルター + CCD + 主鏡反射率 + 主焦点補正光学系 + 大気透過率(secz=1.2) のレスポンス
Response = [filter] + [CCD] + [mirror] + [PFC] + [airmass]
NB711
NB816
■2002/01/31
新しい MIT CCD と組み合わせたときのバンドレスポンス (0 度C, F/1.86)
Responses of broad-band filters (F/1.86)
Notes:
* [filter] = filter transmission for F/1.86
* [CCD] = CCD QE (MIT CCD)
* [mirror] = reflectivity of Subaru Primary Mirror
* [PFC] = transmission of Prime Focus Corrector
* [airmass] = air transmission at sec(z)=1.2
Filter names written on FITS headers
U W-J-U
B W-J-B
V W-J-V
R W-J-RC
I W-J-IC
g' W-S-G+
r' W-S-R+
i' W-S-I+
z' W-S-Z+
(1) フィルター
Response = [filter]
U (not open to the public)
B
V
R
I
g'
r'
i'
z'
Figure
(2) フィルター + CCD
Response = [filter] + [CCD]
U (not open to the public)
B
V
R
I
g'
r'
i'
z'
(3) フィルター + CCD + 主鏡反射率 + 主焦点補正光学系 のレスポンス
Response = [filter] + [CCD] + [mirror] + [PFC]
U (not open to the public)
B
V
R
I
g'
r'
i'
z'
(4) フィルター + CCD + 主鏡反射率 + 主焦点補正光学系 + 大気透過率(secz=1.2) のレスポンス
Response = [filter] + [CCD] + [mirror] + [PFC] + [airmass]
U (not open to the public)
B
V
R
I
g'
r'
i'
z'
■2000/10/31
i' フィルターの品質テスト
レポート
参考図
(Bitran の図での 1 pixel は、もともとの 2 pixel 分。すなわち 18 micron。)
i' filter 無しのときのレーザーの像
第 1 列 (l30) の 1 のレーザーの像
第 2 列 (l60) の 1 のレーザーの像
第 3 列 (l70) の 1 のレーザーの像
第 4 列 (u70) の 1 のレーザーの像
第 5 列 (u60) の 1 のレーザーの像
第 6 列 (u30) の 1 のレーザーの像
第 1 列 (l30) の 5 のレーザーの像
第 2 列 (l60) の 5 のレーザーの像
第 3 列 (l70) の 5 のレーザーの像
第 4 列 (u70) の 5 のレーザーの像
第 5 列 (u60) の 5 のレーザーの像
第 6 列 (u30) の 5 のレーザーの像
σの値
軸比の値
■2000/10/24
問題の z' フィルターの品質テスト
レポート
参考図
(Bitran の図での 1 pixel は、もともとの 2 pixel 分。すなわち 18 micron。)
SupCam の星像 (問題のない領域)
実験時のレーザーの像 (問題のない領域)
SupCam の星像 (最もひどい領域)
実験時のレーザーの像 (最もひどい領域)
■2000/02/21
SDSS system の g', i' フィルターが完成したので 2/18 に大内君と一緒にサイズと透過率を測定した。
(1) サイズ (mm)
縦 横 厚さ
g'
測定 205.06 170.03 15.1
i'
測定 205.04 170.09 15.14
仕様 205.0 +- 0.5 170.0 +- 0.5 15.0 +- 0.2
膜はへりまで付いている。
(2) 透過率
四隅、四辺、中央の計 9 ヶ所で測定した。
(i) g'
透過率の一様性は高く、カットオフ波長のばらつきが 20 A ぐらい。
色ガラスとして BG38 の代わりに BG40 を使ったので、短波長側の透過率が
SDSS Monitor Telescope 用のフィルターに比べて高くなっている。
BG38 は Schott に在庫がなかった。
点線は SDSS Monitor Telescope 用の g' フィルター。
(ii) i'
透過率の一様性は、カットオフ波長のばらつきで 30 A ぐらい。
カットオフ波長が仕様より 70 A ほどずれてしまった。仕様の許容度 (製作時の現実的な精度)
は +-80 A。
8300-8500A でのデータががたがたしているのは測定機のノイズのため。
点線は SDSS Monitor Telescope 用の i' フィルター。
g' の透過率 (拡大図)
中心波長の値:4792-4797 A (設計値は 4771 A)
FWHM の値 :1360-1400 A (設計値は 1388 A)
i' の透過率 (拡大図)
中心波長の値:7774-7796 A (設計値は 7766 A)
FWHM の値 :1582-1625 A (設計値は 1504 A)
設計値は、バンド部の膜の透過率を 100% にした場合の理想値。
■1999/10/18
SDSS system の z' フィルターが完成したのでサイズと透過率を測定した。
(1) サイズ (mm)
縦 横 厚さ
測定 205.03-.05 170.03-.05 15.05-.10
仕様 205.0 +- 0.5 170.0 +- 0.5 15.0 +- 0.2
膜はへりまで付いている。
(2) 透過率
四隅、四辺、中央の計 9 ヶ所で測定した。
z' フィルターは、干渉膜による長波長側のカットはなく、
RG830 (厚さ 4mm) という色ガラスで短波長側をカットしただけである。
RG830 の透過率の場所によるばらつきは 30-40 A である。
z' の透過率 (拡大図)
RG830 (4mm) の透過率のカタログ値と良く合っている。
■1999/04/21
SDSS system の r' フィルターが完成したのでサイズと透過率を測定した。
これは昔の家さんの科研費で支払を既に終えてある。
(1) サイズ (mm)
縦 横 厚さ
測定 205.05 170.04 15.1
仕様 205.0 +- 0.5 170.0 +- 0.5 15.0 +- 0.2
膜はへりまで付いている。
(2) 透過率
四隅、四辺、中央の計 9 ヶ所で測定した。
透過率の一様性は高い。カットオフ波長のばらつきは 30 A ぐらい。
長波長側のカットオフ波長が設計値 7000 A より 50-70 A 長波長側にずれてしまった。しかしこのずれは
仕様で許される範囲である。但し、残念なことに、現在 SDSS で使用されている r' フィルターは
カットオフ波長が設計値より短波長側にずれている。
バンド部の中心付近 (6200 A 付近) に大きなリップルができてしまった。リップルの底部の透過率は
88% ほどであり、これは仕様 (底部で 90%) をわずかに満たさない。しかし、透過率の測定の絶対値にも
1% 程度の不定性があるので、acceptable かと思われる。本当は、小さなリップルが複数あるほうが
たちが良かったのだが。
短波長側のカットオフ部の肩が SDSS で用いられている r' フィルターより削れているのは、
今回は色ガラス (SDSS のと同じ OG550) を 4mm で使ったためである (SDSS のは 1mm)。
r' の透過率 (拡大図)
中心波長の値:6353-6366 A (設計値は 6297 A)
FWHM の値 :1465-1480 A (設計値は 1447 A)
■1999/04/21
作り直しを行なっていた B フィルターが完成したのでサイズと透過率を測定した。
前回 (1998 年 8 月完成) の B フィルターとの違いは、色ガラスとして BG39 の代わりに
BG40 を使った点である。
(1) サイズ (mm)
縦 横 厚さ
測定 205.00 170.10 15.1
仕様 205.0 +- 0.5 170.0 +- 0.5 15.0 +- 0.2
膜はへりまで付いている。
隅の一つに接着むらによる 2mm ほどのしみがいくつかあるが、へりから 4mm 以内なので実用上
問題はないと思う。
(2) 透過率
四隅、四辺、中央の計 9 ヶ所で測定した。
設計値通りに出来た。前回のに比べて短波長側の透過率が高くなっているが、これが BG40 を使った
効果である。
透過率の一様性は高い。カットオフ波長のばらつきは 20 A 弱。
B の透過率 (拡大図)
中心波長の値:4446-4452 A (設計値は 4471 A)
FWHM の値 :1066-1095 A (設計値は 1067 A)
■1998/08/11
B フィルター透過率が低い理由。
使用した BG39 の透過率がカタログ値より低いということが原因だった。下図を参照。
(1) BG39 (1mm) のカタログ値、実測値、保証値
実線: カタログ値
点線: 実測値
短い水平の棒:保証されている最低値
(2) BG39 の実測値に基づく B filter のシミュレーション
細い実線: 色ガラスの透過率 (実測)
点線: 色ガラス (実測) x 干渉膜 (実測) による B filter のシミュレーション
太い実線: B フィルターの透過率 (実測)
■1998/08/10
B フィルターのサイズと透過率の測定。
(1) サイズ (mm)
縦 横 厚さ
B 204.92 170.02 15.2
仕様 205.0 +- 0.5 170.0 +- 0.5 15.0 +- 0.2
・厚さの測定精度は縦横より落ちる (面を傷つけないようにするため)。
・四隅には C5 のカットが入っている。
・膜はフィルターの物理的な端から 1.5-2mm のところまで付いており、へりはシャープ。
仕様は端から 3mm。3mm あれば f/1.868 の光を完全に覆う。
(2) 透過率
四隅、四辺、中央の計 9 ヶ所で測定した。
透過率特性が仕様とかなりずれていることがわかった。仕様に比べて実際の透過率が 2 割程度低い。
現在原因を調査中。
透過率の一様性は高い。
B の透過率
中心波長の値:4505-4510 A (設計値は 4471 A)
FWHM の値: 969-983 A (設計値は 1067 A)
細い実線:色ガラスの透過率 (シミュレーション)
点線: 干渉膜だけの透過率 (実測)
太い実線:B フィルターの透過率 (実測)
色ガラスは GG385(3mm) + BG39(3mm) である。
UBVRI の透過率 (測定値)
■1998/08/03
R フィルターの比較検討表
p.1
p.2
p.3
PS file (for ftp)
■1998/07/17
7 月 8 日に VRI フィルターが国立天文台に届いた。それを受けて、7/14 と 7/16 にサイズと
透過率を測定した。
(1) サイズ (mm)
縦 横 厚さ
V 204.92 170.10 15.1
R 204.90 170.02 15.1
I 204.90 170.00 15.1
仕様 205.0 +- 0.5 170.0 +- 0.5 15.0 +- 0.2
・厚さの測定精度は縦横より落ちる (面を傷つけないようにするため)。
・四隅には C5 のカットが入っている。
・膜はフィルターの物理的な端から 1-1.5mm のところまで付いており、へりはシャープ。
仕様は端から 3mm。3mm あれば f/1.868 の光を完全に覆う。
(2) 透過率
四隅、四辺、中央の計 9 ヶ所で測定した。
隅と辺は、フィルターの端から 3mm のところ (すなわち仕様で決めた膜の端) にビームの端が
接するように測った。ビームは 15mmx25mm。
四隅、四辺、中央での透過率カーブはよく一致しており、 カットオフ波長のばらつきは
30 A 以内 (仕様は V, R, I の順に 120, 140, 160A)。
・V の透過率 (拡大図)
中心波長の値:5517-5525 A (設計値は 5518 A)
FWHM の値: 1012-1024 A (設計値は 988 A)
・R の透過率 (拡大図)
中心波長の値:6590-6602 A (設計値は 6598 A)
FWHM の値: 1195-1218 A (設計値は 1234 A)
・I の透過率 (拡大図)
中心波長の値:8079-8084 A (設計値は 8077 A)
FWHM の値: 1458-1473 A (設計値は 1467 A)
8200 より長波長で曲線が滑らかなのは、測定モードを変えたため。8200 超では測定機の
ノイズが大きくなるため、サンプリングの目を粗くする必要がある。
透過率が 90% を切っているのは、I に使った色ガラス (RG9) のピークの透過率が 90% 程度
しかないため。
透過率測定の様子
写真 1 (大型試料室)
写真 2 (フィルターをジグに固定したところ)
写真 3 (フィルターをジグに固定したところ)
■1997/10/28
フィルターのサイズ (単位は mm)
最も内側の長方形 (124x158) は焦点面の CCD のサイズ。
その外側の、四隅が四分円に丸められている長方形 (156x190) は、CCD をちょうど
カバーする光 (F/1.868) の、焦点面から 60mm の場所でのサイズ。
最も外側の長方形は、フィルターの外寸。
U フィルター: 170x200
それ以外: 170x205
右下隅の斜線は、蒸着膜が貼られていない部分。辺は 2mm まで膜がない。
U フィルターの端の測定の結果、膜の一様性は、四辺では、外寸 (膜の縁ではない) から
4mm 入ると満足され、四隅では、外寸の角から 9mm 入ると満たされることがわかって
いる。これらは、60mm での F/1.868 の光のサイズより大きい。
■1997/10/24
U フィルターの一様性の試験。
四隅、四辺、中心の合計 9 ヶ所の透過率特性の一様性を調べた。
* 隅:フィルターの角 (外寸) から 45 度の角度で 9 mm 内側に入ったところ。
* 辺:辺の中点で、フィルターの端 (外寸) から 4 mm 内側に入ったところ。
なお、膜は、端から 1.5 mm 程度のところまで、外見上は一様に付いている。
以下のように、透過率特性は、端から 4 mm のところまではじゅうぶん一様である
ことがわかる。
(1) 透過率曲線
(2) 9 点の間で、中心波長の値のばらつきは 3 A、FWHM のばらつきも 3 A である。
(3) Color term
フィルター中心での透過率特性を基準にして、四隅と四辺の特性を color term の
形で表したもの。したがって 8 種類の symbols がある。色のずれは 0.01 mag に
おさまっている。
■1997/04/19
1997/04/18 の土居さんの意見を受けて、B を
B GG385(3mm) + BG39(3mm) 5000 A
に変えてみました (図)。
中心波長と FWHM を表にしました。
ここで、Suprime-Cam のシステムはフィルターの透過率だけのものです。CCD
感度などは考慮していません。CCD 感度を考慮すると、U と B の中心波長は
やや赤いほうにずれ、I はやや青いほうにずれると思われます。
この表を見ると、Suprime-Cam の B は GG400 より GG385 を用いるほうが
Johnson B に近いことがわかります。I は HST の F814W フィルターより F791W
フィルターに近いのですが、そもそも F814W と F791W は、HST の CCD の感度を考慮
するとほとんど違いません。
B を GG385 にするか GG400 にするか?
GG385 の長所
* Johnson B との変換がし易い
* 幅が広いため、S/N を稼ぎ易い
GG400 の長所
* U との重なりが少ない
GG385 のほうがよさそうです。
スペックのこれ以上の微調整は Suprime-Cam の CCD 感度を考慮して行なわなけ
ばいけません。
■1997/04/18
以下のスペックが良いのではないかと思います。御意見をお待ちしています。
Schott 色ガラス カットオフ波長 (干渉膜による)
U KG5(4mm) + UG5(3mm) red leak 防止用の干渉膜のみ (SDSS と同じ)
B GG400(3mm) + BG39(3mm) 5000 A
V GG495(5mm) 6000 A
R OG590(5mm) 7200 A
I RG9(5mm) 8800 A
U は SDSS の u' (製作済み) を共用します。
I の特性は Mould より Kron-Cousins が勝ります。Mould I は幅が
広過ぎるからです。上の I は Kron-Cousins I にかなり近くなっています。
上記のスペックを図にしてみました。
すなわち、理想的な干渉膜 (長波長カット) を付けた場合です。
[参考] 様々なシステムの特性:
Johnson/Kron-Cousins システム
その他 (1)
その他 (2)
どのシステムもぱっとしませんね。
■1997
標準システムとして次の 2 システムを作る。
1. Johnson/Kron-Cousins 的なシステム
2. SDSS システム
1. Johnson/Kron-Cousins 的なシステム
1997 年 4 月 17 日の会議録を改変:
Johnson/Kron-Cousins をそのまま真似するのは労力もかかり、しかも
観測の効率を考えると得ることが少ない。一方 Mosaic CCD で用いられ
ている Mould システムは広く世界で採用されており、分光特性も良い。
したがって、Suprime-Cam では Mould システムを採用するのがよいという
結論になった。
U は SDSS の u' で代用できるので、今後は B、V、R、I を今後1年をめど
に SDSS のフィルターに優先して作る。ただし I は Mould の I ではなく、
透過率が 9000A でシャープに落ちるようにする。一枚ざっと 100 万円、
全部で 400 万円。
shimasaku@astron.s.u-tokyo.ac.jp