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処理の実際・アルゴリズム

matchの計算には大きく2段階があります。 1つは1chip内で異なるshotをつなぎ合わせる段階、2つめはそうしてまとまった 異なるchipをつなぎあわせる段階です。 まず1段階目では「どのchipについてもあるshotからあるshotへのx,y,, fluxの差は等しい」と仮定することができます。 そこでとりあえずすべてのchipについてshot-to-shotのscaling量を見てやります。 あるchipの重なり部分では星がなくてわからないけれども他のchipではたまたま3 個以上ある場合があります。 こうしてshot-to-shotのscalingについてわかったものだけについて平均をとります。 logには以下のように結果が示されます。

> average shift
 26  -920.09     1.09  0.00017   -0.078
 15     1.33   900.37 -0.00023   -0.042
 16     0.50   899.44  0.00036   -0.046
 15  -921.15     1.14 -0.00056   -0.059

これは4shotの場合ですがそれぞれあるshotからあるshotについての共通で見つけた 星の数、x,y,,fluxの相対scaling量を示しています。

さてここからinteractive-modeに入るわけですが、まず上で得たaverage-shift量を 参考にしてもう一度そのあたりに共通の星がないか探しにいきます。 これで3個以上見つかった場合はluckyですがなかった場合は次のように聞いてきます。

>> You should compare these files

 Now: /data/sgp/ssb_sgpr1_56.dso --- /data/sgp/ssb_sgpr2_56.dso

>> matched file name :

このときはその重なり部分に本当に星が全くない場合か、見つけられなかった場合 です。 後者の場合は画像をみたり、dso-fileを比べたりして共通の星を見つけ出し、以下 のようなfileを作ってやることでこれとこれが同じ星である、ということを教えて やります。

     12.00  400.00   8.5    812.00  401.00   8.4
    123.00    3.00  11.0    123.50  104.00  10.6
    ...

左から(x1,y1,f1,x2,y2,f2)を表します。 これをもとにその重なり部分でのshot-to-shotのscaling量をプログラムは決定します。 たいていの場合は1,2個の共通の星しか教えてやることができませんから、誤差は大き くなることを覚えておいて下さい。 また星がそこに全くない場合はしかたがないのでaverageの値をそのまま用います。 この場合は

>> matched file name :

と聞かれた時にそのままreturnしてください。

さておのおののchipでのmatchingが終るとchipどうしをつなげる作業に入りますが、 この場合はaverageの値というものが存在しません。 したがってあるチップとあるチップの間にまったく共通の星がなければ、そこのmatch の作業はどうしようもありません。 このときループができなくなりますが、このようなループの破れが連続していない限り 一応matchは動きますが、もちろんそこで誤差の均等化の機能は働いていません。

この場合も同様に共通の星の情報を書いたfileをわたしてやります。 MCCD2の場合ですとたいてい4chipですので1つの重なりについて2回聞いてくることに なります。 この2回のうちで合計3個以上の星がないといけません。



Naoki Yasuda
Wed Nov 15 11:54:09 JST 1995