v1.0版との違いはかなりあります. flatでは状況に応じてどのステップからでも始められるようになりました. imcはFITSファイルも読み書きできるようになり,またモザイキングファイルの入出力が 非常に間単になりました. measはcで書き直され,アルゴリズムこそ変わりませんが大幅にモザイク用として最適化されました. skysb(なんとオリジナルはこれのみ,誰もほとんど触っていない.FORTRANだし.)を除いてはあとの処理もマイナーチェンジされました. また新しくPSF-fittingが加わりました. astrometry,monitor, utilityについては8割方コーディング済みで,中にはもう使っているものもありますが,ドキュメントをまだ作成していないのでv1.2版で加えましょう.
このマニュアルは天体画像処理研究会のIRAFクックブックに載る機会があって急遽いろいろなところを書き直したものです. 実際にわたしたちのソフトを使わない方には何の意味も持たないでしょうが,SNGのマニュアルの最初に吉田さんが述べられているようにこれを機会に日本でのソフト開発が活発になってくれれば幸いです. ここで紹介する処理プログラムに興味を持たれて,自分の観測装置なり,解析なりに応用していただければまた幸いです. そのためには,疑問,要望,批判などがあればどしどしこちらまで言っていただけるとまたまたまた幸いです. ここで,もう一度,吉田さんのお言葉を引いておきましょう. 開発者に様々な文句を言うことがソフトの質を高めるのである. 実際,複数人でのソフト開発の現場はまさに文句の言い合いでした. そして,一応全処理が動くようになった今も,プログラムのそこかしこに対してわれわれ自身が文句をくすぶらせています. よく,完成しきった観測装置は魅力がない,(改良するところがない,という意味で)といわれますが,ソフトについてもそれは言えると思います. われわれのプログラムがみなさんのソフト開発の芽となって,どんどん書き換えられてあとかたもなくなってしまうことを切に望んでいます.